【写真旅】車でアクセス可能、県内最高峰の山、鳥海山にある絶景スポット【山形旅行】

旅行記

今回の記事も地元再発見シリーズということで、山形の豊かな自然を感じることのできるスポット、「胴腹滝どうはらのたき」と「鶴間池」をご紹介します。

山形で育った人にとって山登りはより身近なものではないかと思います。私自身中学始めての遠足で蔵王山の暁登山、高校3年になると受験合格祈願で羽黒山の石段詣。家族とは何度か月山に登りました。

それでも県内一の高さを誇る鳥海山だけは今まで縁遠い存在でした。秋田との県境にまたがる山で、東北で二番目の標高の高さのようです。登山の所要時間の目安は8時間、日帰りであれば早朝に登り出さなければならないとのこと。

なので今回は、私のように登山の習慣がない方でも鳥海山の形づくる自然を堪能していただくことを趣旨としたいと思います。

鳥海山の湧水が注ぎ込む癒しの空間、胴腹滝

胴腹滝は近くの山形自動車道の下り口から車で30分、近くの市街地であるJR遊佐町駅から15分の位置にあります。

緩やかな傾斜の県道を走っていくと正面に大きな立て看板、左手に専用駐車場が見えてきます。

駐車場が10台分も用意されているのがありがたい。ただ到着に近づくにつれて車がやっとすれ違えるくらいの道幅になるので注意が必要です。

しばらく杉林の小道を歩いていきます。私が訪れたのはまだ残暑の厳しい夏の終わり頃。徐々にひんやりとしていく空気が心地いい。

木々の合間から鳥居が見えてきました。木肌そのままの色味が周囲に溶け込んでめちゃくちゃかっこいいです。

左右に滝を背にしたお社が「胴腹不動堂」。二つの滝は鳥海山の伏流水(地表の川が地下に浸透し流れている水)が湧き出したもので、年中水汲みのお客さんが絶えないそうです。

胴腹滝のある遊佐町は湧水の宝庫と言われているのも、火山である鳥海山のおかげ。地下に堆積した溶岩が水をため込むスポンジの役割をするからだそうです。

社の下には石仏や石碑が点在しています。一見すると足を踏み入れがたい神聖な雰囲気ですが、小川の間には丁寧に足場が設けられています。そのため様々なアングルから景色を楽しむことができます。

目を見張るのはこんもりと生え揃った苔の緑の鮮やかさ。写真上さほどの強調を加えずともこの色味です。常にきれいな水が供給され、林を抜けて程よい日差しが差し込んでくることが絶好な環境なのかもしれません。

ブナの原生林に囲まれた静寂な時間、鶴間池

お次は鳥海山の麓をさらに登っていき鶴間池を目指します。

山形ではまもなく稲刈りの時期に入ろうという頃。田んぼのある風景は季節によってがらっと趣きが変わるため絶好の被写体になります。

ここからは鳥海山の登山口に向かう県道を登っていきます。正面に鳥海山を臨む道。道路脇には蕎麦畑。

アクセス方法が不確かだったのですが、道路途中に車を停められるスペースが現れます。Googleマップですと、鶴間池のすぐそばの道路をストリートビューで見るとそれらしい空間があることが確認できます。

通称「のぞき」といわれる道路上からの眺め。鶴間池は地滑りでできた窪地に水がたまってできたものだそうで、オオワシが巣作りしたりモリアオガエルが住んでいたりと動物たちの貴重な生息地になっています。

駐車スペースから降りるとすぐにこちらの目印を発見。「40分」との表記。確かにそのくらいの所要時間かと思います。

最初の方はブナの原生林を緩やかに降っていきます。ちょうど日が傾き始める時刻のこともあって、林の中は暗く静まり返っています。

私は人より霊感がある方だと思うのですが、何より怖いのは熊の目撃情報があることでした。今まで遭遇経験はないのですが、本能的に今回ばかりはまずいのではないかと感じさせる雰囲気があります。

「カンスケ坂」の掛け札があり、ここから急斜面を降っていきます。

ここからはなかなかハードな道のり。ハシゴが掛けてあるところならまだいいですが、ロープ一本を頼りに崖を降っていかなければいけない箇所もあります。

ドライブついでに気軽に寄れるといった場所ではないかもしれません。特に池からの帰りは腕の力を頼りに登っていかなければならないので、全身の疲労感がすごいです。

ようやく鶴間池に到着。険しい足場のせいで狭まった視界が一気に開かれます。対岸にはブナ林、そのまた遠くには山すそが広がっています。

見どころはなんといっても水鏡の見せる表情。林で囲まれた窪地の中にいることも相まって、ここだけ別の時間が流れているかのようです。

写真を撮ることにも満足がいったら大急ぎで来た道を戻ります。というのも熊の最も活動的な時間帯が朝と夕暮れの薄暗い時刻だからです。

カンスケ坂を登り終えた頃がまさにそんなタイミング。脇目もふらずブナ林を突き進みます。ある意味自然の脅威を強烈に感じる体験でもありました。


いかがでしたでしょうか。鳥海山登山の代替案としての今回の旅でしたが、それにしては十分すぎる収穫だったのではないでしょうか。

鳥海山には他にも、竜ヶ原湿原など車でアクセスできる絶景スポットがいくつかあるようです。またそれらも見に行きたいですし、いつかは登頂にも挑戦したいなと思います。

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