目黒区と品川区にまたがる広大な自然公園「林試の森公園」で森林浴を楽しもう

旅行記

昨年目黒区に移り住んでからもう半年ということで、これから近所探訪の記事を書いていこうともいます。第一回目は「林試の森公園」です。


かねてから行ってみねばと思っていたのには訳がありまして、自宅近くに住み着く地域猫のお引越し元だと近所のおばさんに聞いたからです。結論から言うと、猫ちゃんの生活する形跡すら見つけられませんでした。他の方のブログの発見情報も多数ありましたが、それらのだいたいは10年近く前のものが多かったので今は状況が変わっているのかもしれません。飼い主のいないかわいそうな子をなくすための地域猫の活動なので、いないことの方がいいことだとは言えるのですが。

なので今回は園内に豊富にある木々に目を向けて歩いてみようと思います。公園の名前の由来にもなっている「目黒試験苗圃びょうほ」は1900年に当時の農商務省により開設されました(1910年に「林業試験場」に改名)。そのため研究機関であった頃には一般人があまり立ち入れなかった緑地が、今では市民に身近なものとして開放されています。

武蔵小山の駅から徒歩10分というアクセスのしやすさがありながら、公園外周をぐるっと一周するのに30分ほども掛かろうかという広大さ。林試の森公園は近隣の方だけでなく、東京都心近くで自然散策をたっぷり楽しみたい方にオススメのスポットになります。

こちらは西門になります。フェンスには「峰友寮跡地」とあり、区の管轄になってます。かつては農水省の公務員宿舎だったそうです。このように現在公園の南西一帯が広い空き地になっており、新しい福祉施設や公園の拡張が区で計画されているようです。

案内図を見るとご覧の通りの広大さ。西門から時計回りにぐるっと一周してみようと思います。

この日訪れたのは平日の16時前。学校を終えて駆けつけてきたであろう小学生がちらほら見かけます。こちらの広場は園内で一番大きな広場で、ボール遊びには最適です。

東京の桜の満開日からちょうど一週間後の様子です。桜の花びらの絨毯。まだ桜色を残しているものと枯れたものが一体となったような暖かい色味。私はとても好きです。その上を傾き始めた光が這っていくのもまた綺麗です。

公園の桜はカワヅザクラ、ソメイヨシノ、カンヒザクラ、ウワミズザクラ、ハナモモなどで、例年2月中旬から4月上旬と長く見頃を楽しめるそうです。過去に樹木の研究の場だっただけあり、他にもたくさんの種類の樹木があり、樹皮の表情を見比べるだけでも楽しいです。

こちらは北門。まっすぐ行くと目黒通りに突き当たります。新築のお洒落めなマンションがたくさん建ってます。この辺りは公園の南北でだいぶ雰囲気違う気がします。

私は街でワンコが一生懸命歩いているとえんえん目で追ってしますのですが、ここでも目移りすることこの上ないです。公園全体で管理が行き届いているのかゴミも全然見かけないので、安心して散歩させれるのかなと思います。

たくましく根を張ったプラタナスの木。私は小さい頃からひとり遊びが好きな子だったので、ボール遊びやかけっこには目もくれず、木の根っこを掘り返したりこういった木の皮を無心にぺりぺり剥がして遊んでいた方でした。そんな記憶が蘇ってきます。ちなみに街中にあるプラタナスの木の脱皮は、害虫対策であったり、空中のガスやチリで目が詰まったものを新しくするためという説があるそうです。ちょうど西日が当たっていい陰影がついています。

モミジも見つけました。これからの季節が楽しみです。

幾何学的なデザインのこちらの空間は「出合いの広場」と名付けられています。公園の真ん中部分であるこのあたりは、より一層緑が深く子供の遊び声も届いてこないので、しーんと静まり返り不思議な感覚になります。広場のを囲むようにベンチが置かれているので、普段は何か催し物をしている場所なのでしょうか。

ちょうど公園の中心を縦に区切るように広がる池の上に「せせらぎ橋」が架けられています。公園の全容を知らなかったので、ここまで来て風景の多様さとボリューム感に驚いてしまいます。特に橋の上からの眺めはどこか遠いところに来てしまったような気持ちにさせるもので、沼杉とも呼称されるラクウショウの木が真っ直ぐに伸びる様子を見ることができます。

公園の東側には大きな芝生広場があり、小さい子供を連れた親子の憩いの場になっていました。その隅にこの大きな倒木があります。1952年に植えられた樹高30メートル以上のユーカリの木で、2011年の大きな台風により被害を受けたものです。倒木から10年もなぜほったらかしかというと、今後この木がどのように自然に戻っていくのかを観察するためだそうです。ここにも林業試験場としてのルーツを見ることができ、公園として整備された中にもこのような自然のままの環境をかいま見ることができます。よく見ると表面がところどころ朽ちてボロボロになっており、土に帰る準備が着々と進んでいるようです。

林試の森は野鳥スポットでもあります。私には知識がなく野鳥の見分けはつかないのですが、ハトはたくさん見かけました。写真上はキジバト、写真下は日本の街中ではお馴染みのドバトです。獲物を見つけにか穴掘りをがんばっています。

やっと一周してきました。こちらが南側の水車門付近。開発予定地がここから公園の西側まで広がっています。もう何年かしたら公園の雰囲気もがらっと変わるかもしれませんね。

最後まで読んでいただきありがとうございました。なんとなくでも林試の森公園の魅力が伝わっていればと思います。近隣の住民のアクティビティの場として親しまれながらも、自然の中で癒しと発見に富んだひとり時間を過ごすこともできるすてきな所でした。

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